第3回離島医療談義イン奄美のご報告

飛行機から奄美第3回全体写真第3回古川先生

 

今回はテーマを「離島医療と医療経済」として7月15日に大島郡医師会館で談義を開催した。

そしていつもの勉強会と同じように、島から出られない方にも是非参加していただきたいとネット中継を徳之島、沖永良部、与論と結んでしていただいた。

また大島郡医師会と日本プライマリケア連合学会鹿児島支部の共催を得ることができ、準備のほとんどを医師会の事務局がしてくださった。

第3回司会ネリヤクリニック徳田先生

司会はネリヤクリニックの徳田英弘先生にお願いし、まずは講演を2題。

第1講演

最初に奄美の医療保険の現状を名瀬保健所長の四元俊彦先生にお願いした。その統計によると奄美全体では医療費は少なく、入院医療費は高くなっている。65歳未満の早世が多いのも特徴となっている。離島医療の特徴が出ているのだが、理由に関してさらに一層詳しい分析をして対策を検討する必要がありそうだ。詳細でとても貴重なデータをお示しいただいたが、資料は公開を控えてほしいとのことでご了承いただきたい。

小川先生

 

2題目は国民健康保険大和診療所の小川信先生に3年間の仕事の内容を報告していただいた。まさに私が考える離島での地域医療の形を徐々に作り上げて、経営も黒字と化していた。大和診療所はずっと医師不在で、赴任に当たっては私に何回か相談に来られた。アドバイスをさせていただいた身にとっては大きな喜びであり、短期間に住民の信頼を得たその尽力に心から拍手を送りたい(実は帰る前にレンタカーでこっそり大和村に出かけてサプライズで診療所を見学した)。

第3回森田先生

一日目の最後に南日本ヘルスリサーチラボ代表の森田洋之先生に特別講演として、離島の持続可能な医療経済への提言と題して話をしていただいた。森田先生は、北海道の夕張の財政破綻時における医療体制の立て直しの経験から学んだ、地域医療の在り方に関するお話をいただき貴重な示唆をいただいた(詳しくはその著書に書かれているので是非お読みいただきたい)。

破綻からの奇跡表紙

そしてもともと経済学者でもあるその専門的な立場からもこれからの持続可能な離島医療の形についても提言をいただいた。病院がなくなり、19床の有床診療所になったその地区が、救急患者が減り、医療費も下がり、患者満足度が上がっているという結果。大きな病院や病棟などは良い医療をするのに一番重要なものではなく、地域住民がいかに健康に関心をもって生活していくかが大切だということがよく理解でき、これらをもとに2日目の市民公開講座に向けてさらに談義を進めていく準備ともなった。

質疑応答の様子1質疑応答の様子2質疑応答の様子3第3回総質疑応答

 

午後8時から奄美サンプラザに移って、談義をさらに深めるために懇親会となった。

第3回歌うたい

 

食事をとり、お酒を飲み、わいわいがやがやとみんなでおしゃべり。日ごろはどちらかと言えば離島で孤軍奮闘しているメンバーなので、こうやって仲間と一緒に話をすることが一番大切なことであると思っている。ゲストの島唄も素晴らしかった。最後に時間がない中、司会者に無理を言って会場のすべての参加者に一言ずつ発言していただいた。

 

 

さて、2日目は和光園の講堂をお借りして、市民公開講座。

テーマはかしこい患者学~住み続けられる島の医療。ちょと会場を工夫して、パネラーと司会の5人が真ん中に。参加者はグルリと周りを取り巻き車座に。さらに今回の特徴は住民代表の方が1名入っていること。遠慮なく患者さんの立場で発言してくださいとお願いしてあった。

まずは、地域医療連携推進法人についての説明を医師会病院の丸古和英先生にお願いした。それをもとに向井医師会長、住民代表の田丸奄美市自治連合会会長、森田、四元、そして座長は私、古川誠二が勤めた。地域医療連携推進法人の役割のさらなる理解はもちろん、それをうまく運営していくための患者さんや医療従事者の連携と理解。今後の方向性を探った。会場からも住民の意見をいただき、もっともっと話し合いの場を設けてお互いに意思の疎通をかかることが大切であることが分かった。

今回明確になったことの一つがゲートキーパーとしての、かかりつけ医と、かかりつけナースの大切さ。その育成と人材確保に関して次回の談義へと結びつけて行きたい。

第3回古川誠二視点

今回遠路遥々参加していただいた皆さんをはじめ、地元住民の方々に改めてお礼申し上げ、そして医師会事務局のスタッフの方々、陰ながら支援してくださったすべての方々に感謝申し上げます。

次回は来年7月14日に前回と同じキャンセで予定しております。テーマは“離島医療とナース&多職種”(仮題)としております。是非ご参加ください。暑い夏に熱く離島医療を語り合いましょう。